先日の天声人語のスクラップです。随筆家の増田れい子さんが書いたものから編集者がコラムに掲載したものです。
夏の湿潤な季節に咲く花は「思いを込めてしかし決して声高にではなく、むしろ抑え気味に花となる様に思えてならない」と・・・・。ひそやかな感じが逆に強い印象を人の心に刻む。いわば「マイナスの効果」というようなものをこの季節の花たちは身に付けていて、中でもドクダミは際立っていて密やかでそれでいて凄みのある艶やかさがある・・・・と。
中目黒公園の八重のドクダミ。
春に見舞われた新コロナウィルス禍の外出自粛要請、初めは怖くてそれまで欠かさず行っていたウォーキングさえも止めて過ごしていましたが、体重の増加と血圧の不安定が時々起こりかかりつけ医の先生から「毎日の散歩はきちんとやって下さい」の注意を受けてからは雨の日を除いては以前のコースをマスク装着で1時間から2時間をかけて歩いています。
今、紫陽花がどの路地を入っても公園でも美しく咲いています。そして「ドクダミ」の花も目につきます。幼い頃はドクダミが嫌いでした。独特な強い匂いがまず嫌い、どこの家の庭にも咲いていましたが、大抵はトイレの手洗い場の下の方かうす暗い場所に咲いていてなぜか寂しい感じがしていたと記憶しています。その頃はおよそ花など意識の他だったように思います。義母から川端茅舎の「ドクダミや真昼の闇に白十字」の俳句と共に漢方薬(十薬)としての効能を教えられ、十文字の真っ白な花の美しさに気付いて、それからは嫌いではなくなりました。義母はよく冷蔵庫の中に入れて防臭剤として使用していました。この頃よく思い出しているのですが、戦争を幼子を抱えて無事に乗り越えてきたお母さん達、義母の凄さを改めて思い出しています。昭和2桁後半はどうみても甘っちょろいです。
4月初め、手作りのマスクを送って下さった故郷のSちゃんの第2便、夏仕様のマスクを送って下さいました。新規感染者のない新潟市はヨガ教室も再開されたそうで羨ましい事です。ネットでゴム紐を取り寄せて手作りして、ご近所の方にお配りする前にと私に贈って下さいました。私の好きなバーバリチェックです。それに専門家会議が示した「新しい生活様式」の具体例のコピーも送ってくれました。とっても分かりやすいです。気持ちを緩めないように時々読み返して心を引き締めたいと思います。有難うございます。