松濤美術館で開催されている展覧会へ行って来ました。先月伺った庭園美術館のカフェの入り口にあったチラシでこの展覧会の開催を知り、観てみたいと強く思いました。「鼻煙壺」のコレクションとありましたが私にとって「鼻煙壺」は初めての言葉でした。小さな香水瓶のような写真が載っていて見るからに可愛らしい美術品に興味を抱きました。
鼻煙壺とは、嗅ぎたばこを携帯する小さな容器の事で17世紀後半から中国で独自に作られ、小さな容器は中国工芸の粋が集約されて「中国美術の小宇宙」とも言われているといいます。今回は世界的な「鼻煙壺」のコレクター沖正一郎氏の全面的な協力によって実現したと説明が載っていました。
「陶磁」「ガラス」「「金属」「奇跡・石」「動植物」(象牙・角・骨・鼈甲)。それぞれの素材から作られた鼻煙壺、どれも可愛くて、またよくこれだけのものを集めたなぁと感心しました。
「小さきものは皆うつくし」という言葉は平安時代の随筆「枕草紙」で知っています。高校時代の古文の時間が思い出されます。みんなにとって「小さきもの」は何ですか?と「枕草紙」の小さきものを自分の思うことに置き換えて発表させられたことを覚えています。私も小さいものを愛でる心は以前から持ち合わせています。たとえば「香合」「香水瓶」「お菓子の缶」など今までコレクションして来ました。一般的にみんなも小さいものを好きかもしれませんね。
渋谷区立松濤美術館は渋谷駅に程近いKEIO線神泉駅に近い閑静な住宅街の一角にありました。
石造りの印象的な外観で噴水を設けた吹き抜けや趣深い展示室や回廊が美しく調和して安らぎの雰囲気に包まれています。ギャラリーと噴水を見おろせるブリッジがありました。
建設のデザインは哲学的な建築家と言われた白井晟一氏で昭和56年に開館したそうです。こんなに家から近いのに初めての訪問でした。こじんまりしていますが、とっても素敵な美術館でした。
お・ま・け
一階の展示室は渋谷区の小・中学生絵画展が開かれていました。子供たちの素直な感動がのびのびと描かれている作品が発表されていました。末はピカソか?ルノアールか?夢がいっぱいの絵画展でした。孫娘と同年の作品はやはり興味深かったです。
お・ま・け・の・お・ま・け
読書を趣味の欄に書いた若い頃、今は残念ながら胸を張っては趣味の欄に「読書」と書けない本のこなし方です。眼科医に目を酷使しないように注意をされていますが、かなり読む速度は落ちてきていますが、本を読むのは好きだしなるべく読む努力はしています。「小さきもの・・・」の展覧会を観ている時に思いついたことがあります。五木寛之の「小さなものみつけた」の本の中にあった泪壺のことが妙に頭をよぎりましたね。五木寛之がペルシャで買ったというガラス製の深いブルーの「泪壺」。実物は見たことはありませんが、きっと鼻煙壺と同じくらいの小さい美しきものだったに違いないと・・・・。