先先週の火曜日にDVDを3本レンタルした。何を基準に借りるかと言うと、私の場合は、お店に行って、ディスプレイしてある棚の前を行ったり来たりして「これ・・・」と決めるのが常だ。今回は「戦場のピアニスト」・「海を飛ぶ夢」・「ラ・ピエトラ愛を踊る女」の3本。
その場で決める?といっても、たいていは以前に新聞批評とか、宣伝の記事とか、雑誌なんかで目にしているもので、考えてみると頭の隅っこに何かが残っていて、懐かしい思いがして手を伸ばすと言った方が正しいかもしれない。
「戦場のピアニスト」は確か主演男優賞・監督賞(2002年第75回)でオスカーを勝ち取った作品だったように記憶している。実在したピアニストを基にした作品で、荒筋は、ショパンの作品を弾かせたら右に出る者は居ないというピアニストが主人公、ユダヤ人ゆえに、ヒットラーの政策でひどい迫害を受けるのだけれど、逃げて、逃げ延びて、屋根裏に隠れている時にドイツ軍将校に見つかってしまうが・・・・・・。
「ユダヤ人か・・・?」「そうです」「何をしているのだ!」「おなかが空いてこの缶詰を開けようと・・・・」「今まで何をしていた?」「ピアニストでした」「それではピアノを弾いてみろ」ピアノに向かってショパンの曲を奏でる。ドイツ軍将校も戦争ですさむ気持ちを慰められて、命令に背き、見逃すことに・・・・・。それからは、部下に知られないように食事を屋根裏に運び、もうすぐ戦争も終わるのだから、頑張るように励ます。
※ドイツ軍将校の前でピアノを弾くピアニスト
そしてソ連軍の侵攻の前日、自分達の隊は、撤退するからと最後の食事を届けにきた帰りに寒いだろうと自分の外套をピアニストの肩に掛けてあげながら、「戦争が終わったら何を一番にしたいのか?」の質問に「ラジオ局で再びピアノを弾きたい」と・・・。「君の名前は?」「シュピルマン」「ピアニストらしい良い名前だ。憶えておこう、ラジオはきっと聞くから」と別れる。
※「再びピアノを弾きたい」とシュピルマン
戦争が終わって、立場が逆転する。ドイツ軍将校は囚われの身、捕虜の列にいて、「私は、音楽家を、助けたことがあるが・・・・」「ピアニストのシュピルマンを知っているか?」とポーランド人に尋ねるけれど、誰も相手にする人はいない。それどころか罵倒して、その場を皆立ち去る。平和な時代が訪れ、シュピルマンは、希望どおりにラジオ局でピアノを弾ける幸せに浸っているが、彼を助けてくれたドイツ人将校ホーゼンフェルトは収容所で亡くなる。
「アンネの日記」「暗い日曜日」「夜と霧」「コルベ神父」ユダヤ人迫害の悲しい物語を読んだり、見たり、聞いたりしているが、宗教上の理由、祖国を持たない、祖国を追われた・・・・、いろんな理由があろうが、人間と人間の本当の心は、分かり合えるのではないかと思ってしまう。現代でもイスラエル、パレスチナ相変わらず互いに血を流している。一日も早い和解を世界中の皆が祈っているに違いない。