朝倉彫塑館へ行って来ました。朝倉文夫のアトリエと住居だった建物です。朝倉文夫は東京美術学校を卒業した1907年(明治40年)24歳の時に台東区谷中にアトリエと住居を構えました。当初は小さなものでしたがその後増改築を繰り返して1935年(昭和10年)完成したのが現在の朝倉彫塑館の原型だそうです。建物は朝倉文夫自ら設計したもので細部に至るまで工夫を凝らしたこだわりを感じます。朝倉文夫はここを「朝倉彫塑塾」と命名して門下生を育成し、いわば住まいと学校と制作の場が一体となった空間だったそうです。
※JR日暮里駅からすぐの所。
先日の林芙美子記念館でも驚いたことですが、ここ朝倉彫塑館でも更におどろきました。大学を卒業して何年もしないのにこんなにすごい家が建つものかと?
アトリエ
天井高8.5メートルの大きなアトリエの地下には電動昇降制作台の機構が有ります。三方向から光を取り入れ壁面は丸みを待たせて仕上げています。光と影に配慮しているのが特徴だそうです。
書斎
「書棚は建物の壁のようにする」作りつけの書棚は関東大震災を経経験した朝倉文夫さんのこだわりだそうです。作家のお宅拝見などでこのような壁一面の書棚をよく見かけますが、よほどの広さがないと圧迫感を感じるかなと思います。
天王寺玄関
朝倉家の本来の玄関から見える中庭はまるで一枚の「絵」を切り取ったようです。一回表へ出て玄関へ入り直してシュミレイション。玄関の戸を曳き中に入り玄関に立ちました。贅沢な広い玄関で正面の飾り丸窓から中庭を眺めることが出来ます。
朝陽の間
東に大きな窓を採っていて、赤い瑪瑙壁、白い貝壁が光に反射して輝きます。
屋上
家庭菜園と大きなオリーブの木がありました。館内はカメラ禁止でしたが、彫塑館を出て全体を見上げましたら屋上に像がウォーナー像です。
朝倉摂さん(舞台美術)・朝倉響子さん(彫刻家))の二人は娘さんで芸術一家ですね。