第18回目のコンサートは、私の好きなショパンのポロネーズ第6番変イ長調作品53「英雄」、ムソルグスキー(ラベル編曲)組曲「展覧会の絵」で、ピアノはショパン・コンクールで日本人として最年少19歳で3位入賞の横山幸雄さん(‘90年受賞)、とびきり贅沢なプログラムだったが、最初の抽選には外れて諦めていたのに、どうしたのか演奏会の少し前に、招待状が郵送されてきた。とてもラッキーだった。前回もお誘いしたS子さんとご一緒した。家でもショパンは良く聴いて耳慣れていて特に、マズルカ・ポロネーズは、好きで、よく聴く方である。更にポロネーズはポーランドの貴族の間に伝わる民族舞曲で、フォーク・ダンスの方でも度々踊った事があり(格調の高い踊りでデモに使った。)何か縁が深いと思っている。「英雄」はショパンの絶頂期の創作で、名実ともに最高傑作といわれているが、恋人ジョルジュ・サンドの別荘でなんの心配もなく作曲のみに専念できていた時期、まさに「英雄」のタイトルにぴったりと言うわけ。物心共に満たされていないと音楽に限らず何でも良いものは出来ないのではないかと思う。凄くいいコンサートだったが、一つ残念なことにクラシック・コンサートでずっとタクトを振っていた、榊原栄さんの早過ぎる訃報を聞いた。(享年58歳)昨年のコンサートのときは、元気にタクトを振っていたのに。とても残念に思う。ご冥福をお祈りしたい。それから、今回は運良くてSS席、前から5番目、誰の頭にも邪魔されずに横山幸雄さんの手元が手に取るように見えて、もちろん顔の表情や、滲む汗や、クライマックスの時の足の動きまで。これが感激せずはいられぬものか!ピアニストの指の美しいこと。あの長く細く美しい指で長時間の演奏を良く持ちこたえるといつも思ってしまう。演奏家の全身全霊があの指先に乗り移りそれが鍵盤をたたいているのだろうけれど、今日も感心しきり。
今日のコンサートとは関係がないが、ショパン・コンクール入賞者の中村紘子さん、内田光子さん、小山実雅恵さん、そして今日の横山幸雄さん、4人のピアノを聴いている私は、とっても幸せの事と思う。 (2005年11月6日)オーチャード・ホール
※ショパンCDと当日のパンフレットと招待状
スコットランド国立美術館展(Bunkamuraザ・ミュージアム)
オーチャード・ホールへ出かけたついでにスコットランド国立美術館展も観て来た。今年の5月に英国に旅行して、スッコトランドヘも行ったので、とても懐かしい気がした。旅行中立ち寄りはしなかったけれど、エディンバラで国立美術館の前も歩いたし、絵画の中に旅行で見た風景に似た物をいくつか発見してそれも嬉しかった(エディンバラ城など・・・)ルノアール・ドガ・キャメロン・コロー・シスレー・モネ・画集に良く載っている絵の本物を見たぞ!!(2005年11月6日)
※チケットとリーフレット