門外不出だった山形の雛人形を観に雅叙園へ行ってきました。東京都指定有形文化財の百段階段の脇階段から入る七つのお部屋(十畝・草丘・漁礁・静水・星光・清方・頂上)にそれぞれにお雛様が飾られてそれは想像をしていた通りに見事なものでした。
「漁樵(ぎょしょう)の間」はすべて純金箔・純金泥・純金砂子で仕上げ床柱は左右巨大な檜で精巧な彫刻が(中国の座樵物語の一場面)が施されています。格天井は菊池華秋原図の四季草花、欄間には尾竹披川原図の五節句が極彩色に浮き彫りにされています。廻り廊下は黒漆喰塗り障子建具は火頭型(かとうがた)黒漆枠縁だそうです。(火頭型??建築の事は詳しくは解かりません)
※魚樵の間。絵はがきより。
この部屋に飾られていた酒田の旧家・加藤家の雛人形はとても見応えがありました。男雛43センチ・女雛40センチで日本最高の大きさと質を誇るだけあります。お二方とも目は玉眼。また5人囃子の衣装の下からほんの少し見える小袖は染でなく織りであり江戸の(古今雛)ならではの粋を思わせます。「百歳雛」と呼ばれている雛は男雛の眉に紙と同様に白髪が植えられてありました。細かい所までに気を配って作ってあります。
※撮影禁止とても残念でした。それは見事な古今雛でした。チラシより。
「星光の間」に飾られていた「傘福」の世界も素敵でした。日本3大吊るし雛((稲取・柳川・酒田)の一つで酒田の「傘福」は傘の先に幕をめぐらして飾りものを下げるのが特徴だそうです。商売繁盛・子どもたちの健やかな成長・無病息災を願い女性が一針一針も真心をこめて縫い上げ神社仏閣に奉納したのが始まりで当時の庶民の願いが「傘福」に込められています。
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さて我が家のお雛様も節分の翌翌日にいつものようにお玄関に飾りました。幼い頃のお人形はなくて木目込みのお稽古を始めてから立ち雛を作ったものです。それから一体づつ、増やしたものです。
※左上の千代紙のお雛様は義母の作品です。
手話サークルのお仲間のMさんが古裂を使った手芸を長くやっておいでですが(最近はNさんも)今日サークルで「傘福」の事話をしていたら「今度作品展をやるので・・・」といっておられました。どんな作品が仕上がったのでしょうか?楽しみにしています。